認知症 歯周病 顎関節症 スポーツ ストレス
認知症 歯周病 顎関節症 スポーツ ストレス
鼻づまり 顔 癖 不正咬合 姿勢
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子どもの理解 機能的矯正治療 ガミースマイル 舌側矯正治療 認知行動療法
子どもの発達 機能的矯正治療 ガミースマイル 舌側矯正治療 認知行動療法

虫歯

虫歯が淘汰されないか?虫歯菌は体に大切?
1986年、エドワード バリッシュは舌の表面に付く細菌、クリプトコッカス ネオホルマンスを除去すると免疫機能が低下することを実証した。 Streptococcus mutans(ミュータンス菌)などの乳酸菌が砂糖から作るdextran(デキストラン)は多糖類の一種で腸管のリンパ組織の免疫細胞の機能を活発化することが判った。砂糖を摂取すると酸性度が高まり(pH低下)、歯の表面のミネラルが喪失するが、唾液の緩衝作用でまた、20-30分経過するとも元に戻る。砂糖がないと酸が少なくなり、胃の中で細菌が増殖し、マクロファージ(大食細胞)の機能を低下させ免疫応答を悪くする。 虫歯菌も砂糖も私達の体に大切なのだ。ストレプトコッカス ミュータンス以外に糖を分解し、酸、プラークを形成する細菌にStreptococcus Salivarius(ストレプトコッカス サリバリス)、Streptococcus Sanguis(ストレプトコッカ サンギス)があるが虫歯を発生させないのであるが、何が違うか?虫歯菌であるミュータンス菌は砂糖(シュークロース)をグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)の2種類の単糖に分解する。さらに、ミュータンスは分解したグルコースをつなげて、グルコースの重合体(ポリマー)であるデキストランという接着性の物質であるプラークを形成し、ニュータンス菌をさらに集合させてしまう。フルクトースは分解され酸になり、乳酸を主とする酸を作ることで、口腔内の細菌を炭酸ガスと水に分解して殺菌する。しかし、この酸は歯の表面のミネラルであるカルシウム、リンを溶解し虫歯を誘発することになる。これらの単糖類は、肝臓に運ばれ、ブドウ糖に転換され、血中で体内に運搬される。このブドウ糖を細胞でエネルギー源として利用するにはインシュリンというホルモンが必要になる。

1683年顕微鏡を発明したオランダのレーウェンフックは、歯面から採取したものの中に細菌が生存していることを発見し発表した
ミュータンス菌ロバートソン
1835年、ロバートソンは、初めて、歯に付着した食物残渣の発酵によって酸が生じて虫歯が発生すると説明した。
パストゥール
1860年代、パストゥールは、炭水化物が細菌の機能によって分解され、アルコールや酸を産生し、歯を溶かして虫歯を誘発のだと説明した。

パスツール

ミラー(細菌化学説)
1889年、Willoughby Dayton Miller(ウィロビー D ミラー)は、著書「口腔の微生物学」で化学細菌説を唱えた。彼は、ベルリンの歯科医院の嬢の家庭教師に雇われ、その歯科医院のお婿さんに入ったため、米のフィラデルフィア歯科大学に入学した。義父の歯科医院で働きながら、近くのコッホの研究室に通い、細菌学を勉強し、ベルリン大学の教授になり、口腔内で酸を作る細菌が虫歯を作るとして細菌化学説を打ち立てた。歯面の細菌が食物から摂取された糖を利用して酸発酵を行い、その結果、生じた酸(主として乳酸)によってエナメル質、象牙質が脱灰され、崩壊させることによって虫歯が発生するとした。1.食物(でんぷん質、パンなどの糖など)を唾液に混ぜて、培養すると酸が生じる。肉にはこのような作用は存在しない。2.食物は、歯の溝、裂溝、歯間に停滞しやすく、その部は細菌が酸を発生させる。3.食物を分解しては産生する酸は乳酸である。4.エナメル質の虫歯は、酸による脱灰である。5.象牙質の有機成分の分解は無機成分の脱灰の後に生じ、象牙質の有機成分の分解は、象牙質に侵入した蛋白質分解能を有する細菌の作用によると説いた。

コッホ

J.K.クラーク(ミュータンス菌分離して発見)
1924年、J.K.クラーク(ロンドン、メアリー病院)は、虫歯から、菌ミュータンス連鎖球菌(ストレプトコッコスミュータンス)を分離、発見し命名した。叉、クラークは、ミュータンス菌の形態が変化することを発見した。。ミュータンスを中性で培養すると球菌が連鎖を形成するが、培地にグルコースを添加すると酸発酵が生じ、酸性に転化すると連鎖を形成する菌種は減少し、細胞は桿状形態に変化するのが、この名前に由来になっている。後、単にミュータンスと呼称されるようになった。

ミュータンス

オーランド
1920-30年代は、虫歯菌の原因菌は乳酸桿菌だと考えられていた。1950年代、オーランド(米、ノートルダム大学)は、糖を分解して酸を生みだす細菌で、マウスに虫歯を作り、虫歯はStreptococcus mutansストレプトコッカス ミュータンス菌)による感染性の疾患であることを証明した。 連鎖球菌を接種した無菌ラットに虫歯が発生するが、他の菌種では発生させることができない。 プラークは水に溶解せず、うがい、唾液でも流されないので器械的に除去するしかないことを説明した。 1954年、オーランドは、動物実験で、砂糖を摂取しても虫歯が出現せずミュータンス菌の感染させることによって虫歯が発生する、動物を無菌状態にすると、虫歯が発生しないことを証明した。
マーシュ
Marshはカリエスは多因子の疾患であるのでEcological Plaque Hypothesisを唱えた。頻繁に発酵性の砂糖を摂取すると酸産性Bacteriaが舌背に付着し唾液が低phになり、酸産性細菌Streptococcus mutans, Lactobacillusなどが増殖しPlaqueのpHも低く、カリエスに繋がるとした。
カイス
カイスは、雌のラットが妊娠、授乳している間にペニシリンとエリスロマイシンを投与すると、子は代々、虫歯にかからないことにより虫歯菌が抗生物質で抑制される菌種であることを証明した。 抗生物質で、虫歯菌を排除されたラットは何代に渡って、虫歯ができない。しかし、虫歯誘発性連鎖球菌のストレプトマイシン耐性の突然変異種を感染させると、再び、虫歯が発生することを示した。 カイスは、虫歯の原因は、体質、食事に関係なく、虫歯を誘発する細菌が存在しているか、いないかに起因していることを発見した。カイスは、虫歯に発生に必須条件を示すカイスの輪というモデルを作り、歯、虫歯菌、食物(シュークロース)の3つが重なった場合が虫歯を誘発すると説明した。 1960年代、カイスは動物実験でミュータンス菌を感染させることによって虫歯が発生することを確認した。

カイスの輪

Why we get caries?
食事をすると、その食物の発酵によって口腔内の酸性度が高まるのであるが、経時的に唾液によって中和されて元の酸性度に戻るので虫歯に罹らない。しかし、中和させる迄の時間を待たないで間食をしてしまったりしていると、酸性状態が保たれ、口腔内のホメオスターシスを崩壊して細菌叢を変化し、常在菌が死滅し歯の表面に付着能力を有し酸耐性菌が歯に付着して層を形成すると更に、唾液で中和さえなくなり、酸酸性菌が生む酸が歯を溶かし虫歯を作ることになる。カリエスは多くの因子が関与し、カリエスの発生はカリエス原生のプラーク、発酵性の糖質、プラークのPhが低い、リテンティブファクター、フッ素の外的な修飾因子のインタープレイによって異なってくる。プラークの多いところに初期カリエス、歯肉炎、齲窩ができやすくなる。齲蝕原生のプラークを残すのでカリエスになるのである。
Mutans
食事して口腔内酸性状態が高まる。酸性状態が維持されていると、口腔内細菌が死滅する。その代わりに酸耐性菌で歯牙に付着する能力を有するストレプタス コッコスミュータンス菌が発生する。この連鎖球菌の出す酵素で分解され水の溶けにくいデキストランという物質が作られ、デキストランの中にミュータンス菌、さらに乳酸桿菌が出現し、その酵素で乳酸が形成され酸性度が高まり、歯質のカルシウムを崩壊し、虫歯を作ることになる。 連鎖球菌とは、球菌が鎖状に配列している菌で、口腔内連鎖球菌は、5菌種ある。1.ミュータンス連鎖球菌は、糖類を発酵させ酸産生し、スクロースを利用して水に不溶性グルカンという多糖体を合成し、平滑面に付着する能力によって、虫歯を形成する。プラーク中のミュータンス菌の割合は0-50%と幅があるが、当該部位に虫歯があるか否かで、数値が異なってくる。2.サングイス菌は、糖類を発酵させない。スクロースからミュータンスと同様水溶性グルカンを合成する。サングイスの合成するグルカンは、水に溶解しやすく、平滑面に対して付着能力も低い。プラーク中の連鎖球菌の割合の50%を占める。3.サルバリウス菌、4.ミレリ菌、5.ミティオール菌がある。 Streptus:しなやかに連なる、Coccus:粒、Mutans:変種という意味がある。つまり、Streptus Coccus Mutansは、ショ糖:砂糖から不溶性グルカン(デキストラン)を形成し、ねばねばして水に溶けにくい物質を形成する。 ミュータンス菌は、虫歯のある子には検出されるが、虫歯のない子には、検出されない。虫歯が発生している時、ミュータンスの比率が増加する。ミュータンス菌の検出率と虫歯の存在との間に優位な存在関係がある。歯の萌出、義歯や矯正装置の装着に伴って、ミュータンス菌が増加してくる。癌患者が、放射線治療を受けると唾液中の全連鎖球菌に対するミュータンス菌の比率が0から7.3%に、プラーク中のミュータンス菌は、0.6%から43.8%へと上昇する。 ラットやマウスで、口腔内にミュータンス菌が存在しているものは、その菌が子孫に伝達され、スクロースを含む飼料を与えると虫歯が発生する。この菌を保有していない動物にスクロース食を与えても虫歯は発生しないが、ミュータンス菌を感染させると虫歯が発生する。ミュータンス菌が口腔内に定着する必要最少量は、1千万から1億個程度であるとされ、サルは、人間と同じく、永久歯は32本ある。野生のサルの口腔内にミュータンス菌が生息しているが虫歯はないが、スクロールを含む飼料を投与すると、ミュータンス菌が増加する。 虫歯菌であるミュータンス菌は、歯面のみならず、血管壁の病巣でも増殖し続ける。心臓の内膜に障害がある人の心臓の内膜に感染病巣を形成し、細菌性心内膜炎を誘発する。 心内膜炎患者から分離された連鎖球菌数は、サングイス菌、ボビス菌、ミュータンス菌の順である。これらの連鎖球菌は、シュークロースからグルコースを産生するである。ミュータンス、サングイス、ボビス菌の付着率は、スクロースを加えた時に上昇するが、デキストランを分解する酵素を添加すると付着率は低下する。 心臓弁膜症などの弁膜の機能低下の患者さんの抜歯、歯石除去などの歯科的処置を施す場合、口腔内の細菌が血液に侵入しないように抗生物質を投与したり、手術部位をヨードチンキなどの殺菌剤で消毒する必要がある。 ミュータンス菌などの口腔内細菌は、唾液、食事とともに、胃酸や十二指腸における胆汁などの作用で、殺傷されているので、糞便中のミュータンスは、腸管細菌叢として腸管で増殖したものである。 スクロース摂取は、プラークの沈着量が増加し、全連鎖球菌に対するミュータンス菌の割合を高める。 口腔内連鎖球菌の多くは、インベルターゼという酵素をもっているためスクロースを分解して酸産生する。ミュータンス菌は、スクロースを利用することによる多糖合成能と酸産生能は、他の菌種よりも速いので、虫歯を形成することになる。スクロースの酸産生は、グルコースとフルクトースに分解され、これらの単糖は、細菌のエネルギー生産に利用されて乳酸を主とする酸を発生する。 歯の表面のエナメル質の約95%は無機成分、ミネラルで形成されているので溶解、つまり脱灰する。虫歯を発生させる虫歯の病原菌に求めた条件は、1.酸酸性能力を有していること、2.虫歯の病巣に必ず存在していること、3.酸性状況下で存在できる酸耐性菌であること、4.虫歯に硬組織が脱灰された後に残った有機成分を分解できる蛋白質分解能を有することである。平滑面虫歯は、ミュータンス菌とスクロースの組み合わせによって影響されるが、歯の窪みの裂溝部の虫歯はあまり影響されない。
Others
アクチノマイセス ビスコーサス
放線菌のアクチノマイセス ビスコーサスの歯根部に虫歯を形成する。
ラクトバシルス
乳酸かん菌のLactobacillus(ラクトバシルス)は、乳酸桿菌の一種で、口腔、膣内に存在するバクテリアで、虫歯を拡大する。
女性の生殖管の粘膜には、ラクトバシルス菌を始めとするバクテリアが存在し、それらが作り出す生態系は、HIVのバリアとして機能していることが判った。ラクトバシルス菌の欠如は、尿路感染、細菌性膣症と関連し、HIV感染率を上げる。スタンフォード大学医学部のピーター リーは、Lactobacillus JenseniiにCD4の遺伝子を組み込んだ。CD4はHIVに取り付く蛋白質で、遺伝子操作されたバクテリアはCD4を分泌し、HIVを拘束し、人に感染する前に殺傷する。遺伝子操作されたラクトバシルスが、上皮細胞のHIV感染率を減少することからこの膣用座薬が開発されている。 化学物質、紫外線、X線照射の突然変異誘発材で、病原因子を担っていると考えられる性質Xのみを欠落した突然変異株、非水溶性グルカン産生能を失った突然変異株の病原性は著しく低下している。菌体内グリコゲンを蓄積できなくなったミュータンスの突然変異株の虫歯誘発能は低下する。
Caries Formation Factor
アクセルソンは、虫歯の4大因子は、Food,Time,Host,Vacteriaとした。カリエス症状と発症率に関係する要因に、遺伝、年齢、PFRI:プラーク形成速度指数、ラクトバシルス、ストレプトココッスミュータンスの存在、唾液分泌速度、唾液緩衝能、デンタルケア習慣、シュガークリアランスタイム、慢性疾患、社会経済的な状況、教育レベルがあるとした。疫学調査は、両親、個人の教育水準レベルが高いほど全身、口腔内の健康状態が良く、社会経済的要因が重要であることを示している。唾液分泌能を低下させるものに感染症、慢性疾患、投薬がある。
Teeth
プラーク形成に影響する因子は、歯の数、歯の解剖、Plaque Retentive Factor:歯面のRoughness、歯面の微小解剖、修復物などによって歯面がラフであれば、プラークが除去されなく、再付着しがちになる。
個人の体質
Saliva
唾液分泌機能低下はプラーク形成が早める。
アミラーゼ
唾液の主目的は、でんぷんをアミラーゼという酵素でマルトース;麦芽糖に加水分解することである。

虫歯の4大因子


唾液の分類
唾液には、a.唾液の刺激による分類とb.唾液腺による分類があるa.唾液の刺激による分類は、1.刺激唾液と2.無刺激唾液がある。1.刺激唾液とは、視覚や嗅覚に刺激されて分泌される唾液で、食物を消化する為に、消化酵素等の濃度が高い。b.唾液腺による分類は、1.耳下腺、2. 顎下腺、3. 舌下腺による唾液がある。1.耳下腺は、唾液をもっとも多く分泌し、耳下腺ホルモンであるパロチンを分泌する。 3.顎下腺から分泌される唾液は、よくかむと顎下腺から分泌され、この唾液に包含する表皮成長因子が精子の生産とその運動能力を増大する。 耳下腺を切除や放射線治療で唾液が分泌されなくなると、その側の虫歯、歯周病がひどくなる、入れ歯を安定させることができなくなる。 雄ねずみの顎下腺を除去すると、メスを妊娠させる能力が1/3に減退する。この3つの大唾液腺と多数の小唾液腺、歯肉溝の分泌物で構成される。大唾液腺は、睡眠持に分泌しない。 唾液腺は、卵巣ホルモン、エストロジェン、男性ホルモン、アンドロジェン合成に関与している。エー リウ(マサチューセッツ大学医科センター必尿・臓器移植外科)は、ラットの顎下腺を除去すると、精子形成能力、生殖能低下することを示した。
唾液の4大機能
1.歯面の清掃。2.カルシウム、リン酸、フッ素イオンを介して、歯の溶解性を低下、カルシウムは蛋白質と結合し、歯の溶解を阻止するが、歯石を形成する。3.緩衝作用、唾液の緩衝作用によって、口腔内細菌の発酵作用の結果生じた酸、食品中に含まれる酸による歯の溶解を阻止する。4.細菌育成抑制作用、唾液中の重炭酸塩、リン酸塩は、酸性度を保ち、リゾチーム、ペルオキシターゼ、ラクトフェリンなどの酵素は細菌の成長を阻止する。

唾液の機能


唾液の1日分泌量は、ビール2本分である。食事の刺激で、唾液の分泌が促進されるが、夜間は、分泌量が減少し、口腔清掃がうまくできなくなる。唾液量は、妊娠は減少するが、タバコは増加させる。男は女よりも唾液分泌量が多い。50歳以上の人の3人に1人は、定期的に薬を服用し、唾液分泌速度が低下しているので、定期的なデンタルケア習慣、フッ素使用、食事、唾液刺激指導する必要がある。一方の耳下腺を切除したり、放射線治療し、唾液が分泌されなくなり、その側に虫歯、歯周病がひどくなる、入れ歯を安定させることができなくなる。その為に、鼻呼吸を促し、しっかり噛めるようにする必要がある。
歯牙の萌出と同時に唾液中の糖蛋白(ムチン)等がエナメル質に付き、歯牙表面に有機性の被膜が形成される。有機性の皮膜、ペリクルがエナメル質表面からのカルシウムやリンの溶出を防止し、虫歯を予防する。

ストレスは、全身の免疫機能を低下させる。リラックスして食事している時は、副交感神経に支配され、さらっとした漿液性の唾液が分泌される。いらいらしたりして感情に起伏があるストレス状態の場合には、交感神経に支配されねばねばした粘液性の唾液が少量分泌され、虫歯、歯周病に罹患する傾向が増加する。 唾液は対外に放出されない。妊娠は、唾液が減少するが、タバコは、増加させる。男は女よりも唾液分泌量が多い。
IgA
唾液中のリンもカルシウムとともに歯を強くする。唾液には細菌感染から守るS-IgA(イムノグロブリンA)という抗体が含まれている。不安、恐怖がS-IgAの分泌を減少させ、快刺激、例えば笑とかが増加させるが、笑わせ過ぎると、逆に減少する。乳児院、養護施設などの施設の子ともたちがカリエスフリーである。そうしたこどもが里子に出されると、虫歯が発生するという。しかし、ある施設では全く、入所者の口腔衛生を怠たり、雰囲気も悪いところもあり、ある歯科医の障害者の子どもを入所させたところ、歯周病が悪化し、慌てて、退出させたという。
免疫グロブリンAは、細菌の付着機能をマスクして細菌感染防止する。
創傷治癒作用
唾液には、創傷治癒作用があり、動物は、お互い傷をなめあって治癒させようとする。 唾液は、創傷治癒を促進する。血液と唾液を混ぜると血液凝固時間が短縮される。唾液中の血液凝固物質のトロンボプラスチン様物質が血液凝固させるのである。血液凝固作用は、血液中の繊維素原:フィブリノーゲンという蛋白質が繊維素:フィブリンになると血液が凝固し、止血される。血管内で血液が凝固しないのは、血管内から繊維素:フィブリンを溶解させる酵素、繊維素溶解が線溶が溶出しているからである。実験で、マウスに傷をつけるとお互い傷をなめあうのであるが、1.唾液腺のある群の傷の治りが最も早い。2.唾液腺を縛って唾液が流れないようにした群が次に早い。3.唾液腺を除去された群の傷の治りがもっとも遅いことが判明している。 スリランカに生息するとトクモンキーは、傷を互いになめあう。唾液には、ウィルスやバクテリアの増殖を抑制する機能があり、生存には、欠かせない行動である。怪我をなめてくれる人がいるので、群れにいる必要がある。チンパンジーの傷のなめあいは、負傷者の欲求を理解し、傷による痛みに感情移入したことの現れであると考えられている。

狼、サルは傷をなめ合う

狼、猿などは、傷をなめ合って創傷治癒を早める


上皮形成因子(EGF)、神経成長因子(NGF)
1962年、Stanlay Cohenは、唾液中に上皮を増殖させる上皮形成因子(EGF)を発見した。上皮形成因子は、上皮細胞の増殖と角化を促し、歯牙の萌出が早まることが判った。Cohenは1986年に唾液中の上皮形成因子(EGF)と神経成長因子(NGF)の発見によってノーベル賞を受賞した。 歯の形成に、唾液中の神経形成因子、上皮形成進因子が必要で、唾液がなければ形成されない。 唾液中の唾液腺ホルモンである上皮形成因子は、歯質形成だけでなく、全身の皮膚、口腔粘膜、胃腸粘膜を作り変える。同様に唾液腺ホルモンであるNGF(神経成長因子)は、脳神経機能向上させる。 口の中に出てくる唾液は、外分泌系といい、途中、血液中に吸収される唾液を内分泌物とされている。外分泌には、1.酵素たんぱく質、2.芳香續に富む蛋白質、3.免疫グロブリン(IgA)がある。

Stanley Cohen

Cohenは1986年に唾液中の上皮形成因子(EGF)と神経成長因子(NGF)の発見

ぺリクル
唾液中の糖蛋白はハイドロキシアパタイトと結合してペリクルという膜を作って、細菌の作る酸から歯を守っている。しかし、ペリクルは、粘着性があるので、細菌をペリクル表面につけてプラークを形成する引き金になる。
ムチン
ネバネバ物質を総称してムチンと言われているが、歯が萌出と同時に唾液中の糖蛋白(ムチン)等がエナメル質に付き、歯牙表面に有機性の被膜が形成され、エナメル質表面からのカルシウムやリンの溶出を防止し、虫歯を予防している。ムチンは、粘り気を出し、口腔内に傷がつかないように保護する。
酵素
唾液に含まれる物質、1.リパーゼ:脂質を分解する消化酵素、2.アミラーゼ:澱粉を分解する消化酵素、3.ペルオキシダーゼ&カタラーゼ:活性酸素を消去する酵素、4.ムチン:粘り気があり、食べ物を嚥下しやすくする糖蛋白、5.アルブミン:口腔内を滑らかにし、乾燥を防止する血漿蛋白、6.リゾチーム:抗菌作用のある蛋白、7. ラクトフェリン:抗菌作用のある物質、8. パロチン、9. プロアチン:糖を分解する消化酵素。唾液の作用は、消化、食事円滑、解毒、殺菌、老化防止、性欲増進作用がある。
アミラーゼ
唾液の第1の目的は、アミラーゼという唾液中の消化酵素で、澱粉(グルコースの多糖)を2つ切り、麦芽糖という小さな糖の単糖に加水分解し、甘みが小さな分子になって出現させ、血糖値を高める。アミラーゼは、かむことで、唾液腺の細胞の作用で増加する。ねずみに液体食を与えるとアミラーゼが減少する。酵素蛋白で、細胞が染色体にあるアミラーゼ遺伝情報を介して合成し、それを細胞の核外に出した蛋白質である。噛むことでアミラーゼの生産量を左右される。
リゾチーム
Sir Alexander Fleming
唾液中のリゾチームは、細菌増殖抑制する。
Sir Alexander Flemingはリゾチームとペニシリンという、抗菌性を有する2つの物質をいずれも1920年代に発見した。 唾液には、有効な成分が含まれている。唾液に含まれるリゾチームという酵素は、大腸菌などの細胞膜を溶解、殺傷する。ペニシリン発見でノーベル賞を受賞したフレミングは、くしゃみし、鼻汁を細菌培養していたシャーレに落としてしまい、翌日の朝、細菌が溶けていたことから発見した。リゾチームは、溶菌、細菌の細胞膜を破壊して殺菌作用、抗炎症作用を有し、唾液、涙液、乳汁に包含する。 唾液中のリゾチームは、蛋白系を溶解する力の強い酵素で、黴菌の細胞膜を破壊する殺菌作用を有し、抗炎症剤に使用される。

アレキサンダーフレミング なめなめ

リゾチームとペニシリンという、抗菌性を有する2つの物質を発見したSir Alexander Fleming

トクモンキー、オオカミらは、傷をなめあって創傷治癒させる

ペニシリン
廃棄する前に培地を観察した彼は、黄色ブドウ球菌が一面に生えた培地にカビのコロニーに気付いた。ペトリ皿上の細菌のコロニーがカビの周囲だけが透明で、細菌の生育が阻止されていることを見つけ出した。このことにヒントを得て、彼はアオカビを液体培地に培養し、その培養液をろ過したろ液に、この抗菌物質が含まれていることを見出し、アオカビの属名であるPenicilliumにちなんで、"ペニシリン"と名付けた。フレミングはこの新発見の重要性を認識し、1929年6月号のBritish Journal of Experimental Pathology誌でペニシリンに関する報文を発表した。ペニシリンが発見されてから既に十年が経った1940年、彼の報文を読んだ二人の科学者、ハワード・フローリーとエルンスト・ボリス・チェーンがペニシリンを精製し効果的な製剤にする方法の開発に成功した。彼らの研究により、第二次世界大戦中には、ペニシリンは薬剤として大量生産できるようになり、ペニシリン発見の真の価値が改めて再認識、「ペニシリンの再発見」が起こった。1945年には発見したフレミング、製薬化したフローリーおよびチェーンはノーベル医学生理学賞を共同受賞した。
その後、第2次世界大戦中、ワクスマンはストレプトマイシンを発見した。1946年、アメリカ国立衛生研究所(NIH)のアックルアとヒューウィットはペニシリンを添加した飼料を食べたラットは、虫歯が抑制されていることを発見した。ペニシリン、ストレプトマイシンをはじめ、多くの抗生物質が虫歯菌であるミュータンス菌に対して、強い抗菌作用を示すことが判った。その後、テトラサイクリン、クロラムフェニコーエル、エリスロマイシン、バシトラシンなどにも虫歯抑制効果があることが報告された。
ペルオキシターゼ
唾液中のペルオキシダーゼは、唾液腺から分泌されるものをいい、細菌発育を抑制し、発癌性を減少させる酵素である。 抗菌作用を有する。乳汁に含まれるペルオキシダーゼは、ラクトペルオキシダーゼ。白血球に含まれるペルオキシダーゼは、ミエロペルオキシダーゼといわれる。 唾液中の外分泌のペルオキシターゼは、細菌の発育を抑制し、催奇性物質を抑制する。 酸素(O2)は、他の原子から電子e-を奪う性質があり、活性酸素の一種スーパーオキサイド(O2-)を生成する。スーパーオキサイドが発生するとsod遺伝子の制御によって細胞はこれを消去しようと酵素:スーパーオキサシドディスムターゼ:SODを生産する。SODはスーパーオキサイドを過酸化水素水H2O2に変化させる。細胞は、過酸化水素水を無害化しようと唾液中に過酸化水素水消去酵素であるカタラーゼ、ペルオキシダーゼを生産し、過酸化水素水を水と酸素に変えて細胞を守ろうとする。その為に噛んで唾液を出す必要がある。 唾液に含まれるペルオキシターゼ、カタラーゼなどによる活性酸素消去酵素によって、変異原性(発がん性)を抑制する。化学物質が発生させる活性酸素を唾液の酵素が解毒し、インフルエンザウィルスを退治する殺菌作用する。
パロチン
唾液中のパロチンは骨や歯の再石灰化に作用し、皮膚の代謝の活発にしてしみ、しわを防止する。パロチンは、製剤化され、変形性関節症、胃下垂、歯周病、老人性白内障に適応されている。加齢によって唾液の分泌量を減少するので老化が進む。噛めば、唾液の分泌が亢進し若返りのホルモン、パロチンの機能が亢進し、セックスが強くなる。
スタテリン
スタテリンは、歯に吸収され歯を硬くするカルシウム、リンを取り込ませる蛋白。
ガスチン
ガスチンは亜鉛と結合する蛋白で、味覚を敏感にする。
パロチン
パロチンという長生きホルモンといわれる唾液腺ホルモン石灰化作用によって骨や歯牙を丈夫にし、血管内にも分泌され、全身にいきわたり、老化を防止する。
ラクトフェリン
唾液中のラクトフェリンは、細菌の鉄イオンと結合して成長阻止する。唾液中の重炭酸塩、リン酸塩は、酸性度を保ち、唾液中のカルシウムは蛋白質と結合し、歯の溶解を阻止するが、歯石形成してしまう。

プラーク
プラークは、水分が70-80%で、残りの固形物の半分は蛋白質で占め、炭水化物、脂質がこれに次ぐ。蛋白質は、唾液、細菌、歯肉溝からの浸出液に由来する。炭水化物は、細菌によって合成される多糖と、細菌の成分で構成される。
1884年、クリスチャン グラムが考案したグラム染色を考案したグラム染色に染まる菌、グラム陽性菌は、口腔内細菌として、連鎖球菌、ブドウ球菌、乳酸桿菌、放線菌などがある。グラム陰性菌はこれに染まらないので、さらに、赤色のサフラニン液で染色する必要がある。口腔内細菌として、バクテロイデス、ナイセリア、フゾバクテリウム、ベイヨネラなどの菌種がある。プラークでは、好気性グラム陽性桿菌の比率が高く、ほとんどが連鎖球菌である。
PERI
アクセルソンの実験では、口腔内にストレプトコッコスミュータンス菌が少ない人はPERI:プラーク形成速度指が低く、プラークが少ない。ミュータンスが陽性の多い人は、PERIが高く、4倍も早く虫歯が発生した。陰性は、成人の10%しかいなかった。いうことは、プラークが早く形成されるミュータンス陽性の人が多いので、いかにコントロールするかにかかっていることが示される。アクセルソンは、患者さんをPFRIでLow Risk,Risk,High Riskに分類し、Low RiskとControl群は新しいカリエスは少なく、Risk群は2倍の虫歯が発生することを見つけ、個人による感受性の問題があることを指し、自分が開発したPFRIを活用することを世界中の歯科医に勧めた。
超音波歯ブラシ
1992年に、登場した超音波歯ブラシは、音波のテクノロジーを利用し、1分間で3万回転毛先を振動させ、超音波を発生させ、歯間、歯頚部のプラークを除去することを可能にした。このプラークはバイオフィルムであるので、不溶性で付着能力が強く、剥がすことが困難なので、超音波歯ブラシが必要になる。
ルゴール(ヨードグリセリン)
消毒薬、クロルヘキシジン(ヒビテン)やアレキシジンのようなビス ブグアニドを歯面に塗布するとプラーク形成を抑制する。クロルヘキシジンは、口腔を覆う表面成分とイオン結合する為に、殺菌、静菌作用が長時間、持続される。0.2%クロールヘキシジン溶液でうがいを繰り返す虫歯形成、歯肉炎から歯周病への移行過程をも阻止する。しかし、これらのビス ブグアニド長期間使用すると抗生物質同様、耐性菌が出現する。ルゴール液は、ヨードカリウム溶液の消毒薬で、他の細菌と同様、ミュータンス菌に対し、低濃度(0.1%前後)で殺菌作用を有する。間欠的に歯面をヨード溶液で処理すると、ミュータンスをはじめ、口腔内細菌の増殖が抑制される。

ヨードグリセリン
ミュータンス菌に対し、低濃度(0.1%前後)で殺菌作用を有する

Fissure Sealantする時期
歯牙の萌出は、女の子は半年から1年萌出が早いので、性差を考慮する必要がある。第1大臼歯は、女子は5歳半、男子で7歳から7歳半で萌出し、この萌出時期にFissureをCaries Freeを保つ必要がある。第2大臼歯の萌出も女子が早い。エナメル質の表面は、萌出後の最初の1年間において、感受性が高いが、その後、感受性が弱まる。最初の2年間Caries Freeを保てたら、生涯、Caries Freeを保つことが維持される。 萌出終了した歯牙に対するフィシャーシーラントはナンセンスであるとされている。2番目に重要な年齢は5-7歳の第1大臼歯萌出期である。予防は女子から始め、フッ素塗布、咬合面フィッシャーにフッ素徐放性のグラスアイオノマーを萌出が終了するまでシールする。
フィッシャーシーラントは萌出期のみに使用し、徐放性のグラスアイオノマーの使用が勧められる。エナメル質を酸化して除去してプラスティックレジンのシーラントを施すのは問題があるかもしれない。

Environmental Hormone
1996年3月、オレアは歯科治療で、レジン充填1時間後に30ミリリットルの唾液中に90-931マイクログラムの内分泌攪乱剤(環境ホルモン)であるビスフェノールAを検出されていることを論文に発表した。ビスフェノールAは、プラスティックに硬度、耐久性を与える原料である。米国歯科医師会は、唾液中に、ビスフェノールAは認められず、認められても、血液中には存在しなく、内分泌攪乱作用はないする考えを示し、日本歯科医師会もその考えを支持した。 ビスフェノールAとは、虫歯予防のシーラント、虫歯の詰め物である光重合レジン、プラスティク食器などの原材料で、ポリカーボネート(PC)プラスティックに含まれるエポキシ樹脂の原料である。女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を持っており、女性のエストロゲンレセプターと結合し、生理を狂わせ、乳癌の発生を誘発させることが判明している。男性の場合は、女性的になるという。九州大学医学部、栗生修司博士らの研究によると、極微量を妊娠中のラットに投与すると、生まれた雄ラットは、成長後、脳の特定箇所が雌的になり、回避行動、運動量などが雌的になることを実証した。

萌出中の歯牙では、48時間後で、歯牙の遠心窩、中央窩で4倍も早くプラーク沈着する。裂溝カリエスは全て萌出期のみに生じる。大臼歯は、1年から1年半で萌出するのでに裂溝カリエス罹患しやすいが小臼歯は、1~2月で萌出し、萌出期が短く、裂溝カリエスにならない。プラークコントロール、フッ素塗布し、徐放性のフッ素を含有するグラスアイモノマーのフジフリー、フジフリーLCなどを萌出期の歯牙にシーラントする。それが無くなっても、大臼歯が萌出しているので問題はない。完全に萌出したカリエスフリーの歯牙には、シーラントするということはナンセンスでオーバートリートメントということになる。完全に萌出した歯牙はカリエスリスクが無いからである。

虫歯が無くとも、ミネラルが減ると、透過像が見えてしまうので、X線では、病変がなくともデンチンカリエスがある様に見えてくる。フィッシャーに対し、カリエスが無ければ、フジグラスアイオノマーを用いて、フィッシャーシーラントしてシールする。もし、スティキーフィッシャーであったならば、ダイヤモンドバーで入り口だけ開口し、フィッシャーの底部を確認し、X線でデンチンカリエスの様に、観察されても、初期カリエス、ホワイトスポットであるならばフジⅢLC等のグラスアイオノマーを用いて、カリエスの進行を阻止する。V字型の往復運動の出来るチップ形態であると歯冠乳頭の間にアクセス出来る。これは、回転式の様にエナメル質に対して損傷を与えることは無い。

シーラント
フィッシャーシーラントしてシール


アマルガム
虫歯に詰めるアマルガム水銀は、水銀や亜鉛の合金であり、微量の水銀が気化して体内に入っている。水銀は、脳障害、先天性異常、肝臓障害、多発性硬化症、アルツハイマー型痴呆症などに亜鉛は、智恵遅れ、多動症と関係しているという。かつて、歯科衛生士の子供の早産、先天奇形との関連も示唆されたことがあった。 ある研究では、羊の歯に12本のアマルガムを詰めると腎臓機能が低下した。又、歩行不能の多発性硬化症の人のアマルガムを除去したら、歩行が可能になったりしている。対策として、歯のアマルガム水銀を除去する、汗を出して泄排する、近海魚を食べないなど。水銀は、大気に上昇し、雨とともに、地表に下降する濃度は危険の状態であるという。有吉佐和子の著書、複合汚染によると、日本人の髪の毛の水銀含有量は、イギリス人の60倍であるという。厚生省は、虫歯に水銀の充填を推奨している。歯科治療でつめられた水銀は、咬耗して口腔内に溶出し、水銀中毒症状を誘発しがちになる。視野の狭窄、感覚障害、筋肉運動失調症、認知機能の低下などいろんな疾患を誘発する。Summers A.O.,(ジョージア大学)は、虫歯に詰めたアマルガムが、抗生物質に抵抗力のある腸内細菌を増加させることを発見した。「テレビに子守をさせないで」の著者、岩佐京子によると、自閉症の子供の毛中の鉱物質の分析結果、アルミと水銀が異常に多いという。アマルガム水銀にかかわってきた歯科衛生士の胎児に影響して流産が多いことが指摘されている。水銀を食べても平気なバクテリアは、水銀を無毒化する遺伝子を持っている。
レジン充填
脊椎動物は、内分泌系と神経系という2つのコントロールシステムを持つ。虫歯に詰めるレジンは、内分泌を錯乱し、ダメージを与える。内分泌系は、下垂体、甲状腺、副腎、卵巣、精巣の器官からなる。下垂体は成長ホルモンなどのホルモンを分泌し、他の内分泌腺の正常な機能を統合する。甲状腺は、代謝を抑制する。副腎は、アドレナリン、ノルアドレナリンのストレスホルモンを分泌し、コルチゾン、ヒドロコルチゾンを分泌する。アドレナリンは、恐怖、怒り、興奮といったストレスを感じた時に分泌し、動脈を拡張して血糖値を上昇させ、即座の行動の為にエネルギーを与える。卵巣と精巣は、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン等の性ホルモンを分泌する。E.A.ドイジーは、卵巣分泌物から有効成分の抽出に成功し、ノーベル賞を受賞した。雌の動物に発情;Oestrus:発情の状態を引起しので、エストロゲンとなづけられた。後、女性のエストロゲンが乳癌の危険因子であることが判った。エストロゲンの量を増加させる因子として、初経が早い、閉経が遅い、出産の経験がない、母乳を出さなかったがある。合成エストロゲンは、農薬および殺虫剤、工業用化学物質、歯科用充填剤として出回っている。フタル酸化合物類やビスフェノール類等の可塑剤は、歯科用充填剤やプラスティックには欠かせない。PCB類は、電気製品に使用される。ブチルヒドロキシアニソールは、酸化防止剤で食品の腐敗を防止する。

アマルガム レジン充填

アマルガム充填

レジン充填


Preperation
アクセルソンは虫歯をドリリングすることは侵襲的すぎで、X線で病変らしくとも虫歯とは限らないとして、歯の間には、削るのではなく非侵襲的な治療法、パーシャルトンネリングテクニックを提唱した。クリーニングを行い、隣接面カリエスに対して、矯正用の歯間セパレーターを5日間用いて、歯間に間隙を作り、カリエスを除去し、クロロヘキシジンバーニッシュ、フッ素を塗り、平滑面上のミュータンス菌の減少を6ヶ月間試みる。カリエスがあればそれを除去し、フッ素徐放性のフジグラスアイオノマーをフィリングする。クロロヘキシジンフッ素バーニッシュを周囲に塗布して、その周囲の初期カリエスを止める。フィッシャーカリエスにも同様のことを行うことを勧めた。

虫歯の治療