caries 顔 癖 不正咬合 姿勢
虫歯 顔 習癖 不正咬合 姿勢
鼻づまり 歯周病 顎関節症 スポーツ ストレス
鼻づまり 歯周病 顎関節症 スポーツ ストレス
認知症 機能的矯正治療 ガミースマイル 舌側矯正治療 認知行動療法
認知症 機能的矯正治療 ガミースマイル 舌側矯正治療 認知行動療法

 子どもの発達

生れて、生涯は上って下りて、生涯を閉じる。発達を捉え
るとき、重要な3つの視点がある。ドイツのBaltes(1987)
は、発達は「獲得と喪失」、つまり「成長と衰退」で、ダイ
ナミックなシステムとして捕らえることが出来る「獲得・喪
失モデル」を示した。加齢に伴い、できないことの出てく
る一方、補償的、代替的なメカニズムが発達していく。こ
のモデルは、厳密には、環境への適応能力(adaptive capacity)の獲得と喪失に関する理論で、環境への適応
は、加齢による影響を受ける典型的なものだ。 バルテス
は、人間は一生を通じて発達するという『生涯発達』の観
点から、人間の人格形成に関与する要因として三つの影
響力をあげた。発達時期における遺伝と環境の役割を
示し、遺伝、環境は、発達の時期によって影響が大きく
異なってくる。A.「標準年齢的影響」発達の初期は年齢に
伴う生物学的影響が大きく、年齢とともに少なくなってい
くが、最後また、生物学的影響を受けるようになる。B.「
標準歴史的影響」発達の中頃の青年期当たりに文化な
どの影響を強く受ける。スマホなどの電子機器の影響を
大きく受ける。C.「非標準的影響」:加齢に伴って影響が
大きくなっている。例えば、綺麗にするような個性は年齢
とともに強めていく。

Baltes,P.S.et al.(1980) Life-span development psychology.Annual Review of Pschchology,31,65-100.

バルテス

http://kaigolab.com/column/11005

子どもの発達

子どもの発達

2.生涯発達
①Personalityの発達を捉えたSigmund Freud(1856-193
9)、②認知発達のJean Piaget
①Sigmund Freud(1856-1939)
フロイトは、5つの発達段階を示した。①「Oral Phase」(
口唇期)生後、おっぱいを吸い、はえてきた歯で咬む。口
唇の活動によって、快感を得ようとする時期。②「Anal P
hase」(肛門期):1-3歳にトイレットトレーニングが始まり、
排泄に快感を感じると同時に、親からのしつけの排泄の
コントロールが始まり、親との葛藤を経験する時期。③「Oedipal Phase」(エディプス期):3-5歳頃の幼児期にあた
る時期で、母を父から取られまいとする時期。④「Latenc
y Period」(潜在器):学童期から思春期にあたる。性的欲
求が見えにくくなり、新しい社会習慣を身に着けたり、知
識の習得にエネルギーを注ぐ時期と考えることが出来る
。⑤「Genital Phase」性器期:心理的にも成熟した段階と
考えることが出来る。www.chiikunote.com/entry/psychosexualdevelopment_

リピドーの発達段階

ピアジェは「発生的認識論」は、人は環境との関わりから
知識を大成化し、すでに持っている認知体系の中に同化
、取り入れして理解していくという認知発達、思考の発達
に関する発達段階論示した。3人の自分の子どもの観察
から著した「知能の誕生」という本の中で、成長を1.感覚
運動器、2.前操作期、3.具体的操作期、4.形式的操作期
に分類した。

①「感覚運動器」
物を触ったりといった外的な活動によって外の世界を知
る時期、生後から2年間の乳児期で、掴んだり、叩いたり
、噛んだり、といった運動によって外の世界を知る、とピ
アジェは考えた。物と動作を繰り返して経験していくと、
見えなくとも、物の永続性(存在している)を理解するよう
になると考えた。

②「前操作期」
2歳から6歳位の幼児期で、操作というのは心の中で外
界の事象を処理すること、操作とは考える活動である。
延滞模倣:モデルが目の前に居なくでも模倣する、状況
遊び:ごっこ遊びのようなもの、をするようになる。前操作
期に言語を獲得する。言葉は、リンゴと言ったとすると、
なくともリンゴを思い浮かべることを可能にする。前操作
期は、視覚、見栄の世界に支配されていて、直観的、見
かけが変わるとあたかも本質が変化したかのように考え
てしまう。他人の視点を取ることが出来なく、自己中心性
、自分という視点に中心化する。保存が不成立と言われ
ているものであるが、ジュースの容器が変わると、中身も
変わって見え、見かけに惑わされる。

③「具体的操作期」
6歳から11歳位の児童期。論理的操作を使って考える。
前操作期に不成立であった保存が成立し、見かけが変
わっても、本質は変わらない。「脱中心化」ジュースの広
い容器に移して高さが低くなっても、内容量は同じと理解
できるようになる。自己中心性から脱して複数の視点か
ら見れるようになるのが具体的操作期の特徴。

④「形式的操作期」
思春期以降、具体的な現実から離れて抽象的に考える。
仮説を立てて推論が出来るようになる。フロイト、ピアジェ
は、発達段階として、それぞれの時期にある特徴がある
とした。大人がゴールだが、大人になることで完了する訳
ではない。エリクソンば成人以降の発達していくと考えた
。nikutai-shinka.com/post-12481

「心理社会的発達理論」エリクソン

エリクソンは、「心理社会的発達理論」を提唱し、発達課
題を考えた。社会とのかかわりで、生涯を8つの段階、
1.乳児期、2.幼児期初期、3.幼児期後半、4.学童期、5.青
年期、6.前成人期、7.成人期、8.老年期に分け、それぞ
れの時期に2つの状態があるとした。青年期以降も発達
し、それぞれの時期に固有の両側の状態があり、葛藤を
起こして発達が進むとした。発達課題、

①乳児期(生後-1歳)
「基本的信頼:基本的不信」
基本的信頼感を作っていく時期。自分が求めていること
に応じてくれる人を信じることを獲得する時期。おっぱい
が欲しくて泣いているのに応じてくれないが、基本的に信
じていいのだと思うことで、基本的信頼感が作られていく

②幼児期初期(1-3歳)の課題、
自律性:恥・疑惑。
自分でいろんなことをやってみたい時期で、自分でやる
ことを主張する一方、失敗してしまうこともある。失敗した
ことが恥であったり、自分自身に対するできないかもしれ
ないという疑惑、疑問。

③幼児期後半(3-6歳)の課題、
自主性:罪悪感、何で、どうして、知りたがる時期。自主
性:世界に積極的に関わっていこうとする一方で、もしか
したら、いけないことをしているのではという罪悪感も芽
生えてくる。その両極の中で揺れ動く時期。

④学童期(6-12歳)の課題
勤勉性:劣等感。学校で新しい知識を獲得し、奮闘する
が、できないこともできてくる、それが劣等感に繋がる。

⑤青年期(12-20歳)の課題
Eriksonが最も重視した時期で、 課題はIdentity:Identity
の混乱。
Identityとは、自分は何者なのか?ということの自己証
明。青年期は自分が何者なのか考える時期、一方、自
分が何ものかわからなくなってしまう。何をしたらよいか
わからくなってしまって両極の中で揺れ動く。それまでに
やり残した課題があれば、将来の課題を先取りしてやっ
ていく。

⑥前成人期(20-30歳)の課題
親密:孤立。
自分が何ものなのかを確立した人は、本当の意味でだ
れかに出会うことが出来る。人生のパートナーであった
り、人生における親友であったり、それが親密性。それに
対し、自分は一人だと感じて孤立感を感じる。

⑦成人期(35-65歳)の課題
生殖性:停滞。生殖性とは親として子どもを育てることだ
が、親としてだけでなく、人生の先輩として後輩を育てて
いくことも含まれている。育てるということは自分の人生
をひきついていく。引き継ぎたいが引き継げないで停滞
感を感じていく。

⑧老年期(65歳~)の課題
統合性:絶望
残っている時間は多くない。人生は失敗だった、あるい
は、やり残したことがあると思った場合は絶望感につな
がる。自分の人生が何等かの意味を持っていると考える
と統合性に繋がる。ダーウィンは1877年、長男ウィリアム
の感情、思考、道徳観、無意識など心の営みを観察して
、雑誌「マインド」に発表し、その後の児童研究に大きな
影響を与えた。
psychjapan.com/506.html

「心理社会的発達理論」エリクソン

児童虐待の定義と現状|厚生労働省
www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodo
mo.

児童相談所の児童虐待の相談対応件数(平成24年度)
は、児童虐待防止法施行前(平成11年度)の5.7倍に増
加(66,701件) 虐待死は高い水準で推移している。平成
2年の虐待件数は千件、平成11年に1万件を超え、平成
24年度には6万6千件、7万件に近づいている。虐待が認
知されるようになったため、増加につながっているのかも
しれない。子どもの虐待のカテゴリーには、①身体的虐
待、②ネグレクト、③性的虐待、④心理的虐待に捕らえ
ることができる。

①身体的虐待は、身体的に何等かの危害を加えること。
②ネグレクトとは、育児放棄、養育放棄である。
③性的虐待は、グラフのように少ないのか、虐待された
子が口を出さないがために少ないのかもしれない。
④心理的虐待は、子どもの存在を否定する言葉を言う。
危害での死亡の半数は0歳児。加害者の半数が実母の
5割、実父の3割。苦労して生んだ子の命を奪うという不
合理がことが起こっている。今の社会が深刻な問題の温
床になっていることは否定できない。親のストレス、育児
上の不安。支援、社会的リソースがないために、親が孤
独な中で、育児の困難に立ち向かわざえを得ないことが
虐待につながる。社会的、経済的不安定さが、親を苦し
い状態に追い込んで、子どもの養育への関与を困難に
する。子どもが減少し、幼い子どもたちと接する機会が
減少し、親の心理状態が整っていないのに、親にならざ
るを得ない妊娠によって子どもを軽視する。

虐待

Anti Bias Education(アンチバイアス教育 )
日本の子どもたちは桃太郎の昔話を知っている。キリスト教文
化圏の子どもたちはノアの箱舟の事を知っている。特定の文化
の中で身に着けているものだからだ。あたりまえと思っている認
識を再考しないと気付かない。赤ずきんちゃんの物語の中では
オオカミは悪者。オオカミの立場で、ずきんちゃんの話を考えて
みると、オオカミは森、植物を守っていた、花を摘む赤ずきんち
ゃんから森を守ろうとした。悪者のオオカミが純粋無垢が赤ずき
んちゃんを食べると思いこむことがいい場合だけではない。思
い込みの中で、こうであるに違いない、それ以外はありえない、
と考えがちになるが、立場が違った場合、同じことが全く違った
意味を持つこともある。多言語、多文化の中で、人と関わってい
く、そうした多用な視点の中で常に自分の考えを振り返ってみる
が必要なのだ。クレヨンの3つ目の色、「肌色」は使われなくなっ
ている。多様な人種が行き来している現代では人を特定の眼、
髪、肌の色だけをイメージすることは、適切ではないと考えられ
るようになった。特定の文化圏の人に偏見を持たないようにす
る教育を「アンチバイアス教育」を起こっていた。ヨン様効果など
で韓国人に対する偏見が少なくなった。しかし、前総理自ら、慰
安婦、尖閣問題を取り上げぶち壊してした。

アンチバイアス教育

障害を持つ子の困難

両親の減数分裂によって人は22対の常染色体、1対の性染色
体、全部で23対の染色体をもつ。染色体は大きい方から順番に
番号がつけられている。22対の常染色体の中でダウンは21番
目の染色体の異常なので、他の染色体よりも胎児が生育でき
ないほどの影響はなく、減数分列のときにうまく分かれないで、
余分なものがくっついてしまった、そのことはトリゾミーといわれ
ている。染色体異常の原因はわかっていない。3月21日は世界
ダウン症の日ということで、ダウンの子どもたちのことを考えよう
という日になる。重度の障害は、運動発達の遅れから、首が座
らない。焦点が定まっていないなどの運動の障害から早期に気
付くことになる。

3月21日は世界ダウン症の日

「6.3ショック」

2002年、文部省が行った小中学校の生徒の中に学習、
行動面で困難がみられる子どもたちの調査をしたとき、
6.3%に行動面、学習面での問題がみられ、40人のクラス
に2-3人の確率になり、「6.3ショック」とされた。そのため
、特別支援の教育が重要視されるようになり、発達障害
をめぐっては農薬などの化学物質の影響を疑う専門家も
いる。2017年、公立の小中学校に通う普通学級の児童
生徒で、「落ち着きがない」「簡単な計算ができない」など
の発達障害の可能性のある子どもが6.5%に上ることが
文部科学省の調査で分かった。学習障害や注意欠陥多
動性障害の可能性がある子どもは小学校で7.7%、中学
校で4%に上まった。

自閉症スペクトラム障害:ASD:Autistic Spectrum Disord
erには、①広汎性発達障害、②高機能自閉症、③アスペ
ルガー障害がある。自閉症スペクトラル障害の子は、赤
ちゃんのときから違和感を感じられ、すんなり抱かれよう
としない。言葉を獲得する時期になっても言語が見られ
ない。言葉が出てきても、エコラリア、おうむ返しで、「お
水飲む?」と聞くと、「お水飲む」を返してくる。自分が水
を飲みたいのに、相手が聞いている言葉のまま返してし
まう、エコラリアが多くみられる。社会性、対人関係の困
難、想像力の欠如、こだわりが強かったり冗談、比喩が
理解できなかったりする。

スペクトラムとは、虹の7色のようにグラディエーションで
表現されるもの自閉症の症状が強い人から弱い人まで、
知的な能力の高い人から低い人までいろんな人がいる
という意味。①広汎性発達障害:障害が多岐にわたって
いると広汎性発達障害(PDD、Pervasive Developmental Disorders)。②高機能自閉症:知的能力が低くないという
ことで高機能自閉症と呼ばれる。③アスペルガー障害:
あるいは言葉の問題が比較的目立たないが対人関係が
困難だったり、思い込みが強かったり、過敏さがあったり
、興味が限られていたりする。

発達障害は、共通性として相手の感情、意図を理解する
のが困難で、感覚の過敏さがある。脳の障害とされてい
るが、障害部位、原因を特定されていない、ということは
予防できない。できることは周囲の理解を促す、環境を
整える、能力を伸ばして、不得意な部分を補い、子ども
の自尊心を低下させない、できるんだ、すごいんだと自
尊心を育てる。知的な遅れがない子どもの場合、自分の
存在をどうとらえるかが重要であり、障害からくるできな
い自分、いつも怒られる自分、工夫したら自分にできる、
苦手もあるが、これは得意という自己理解を促すような
支援が必要であると考えられている。

 

記憶

赤ちゃんは親以外の人を怖がる、人見知りは、赤ちゃん
がいつも見ている親の顔を覚え、知らない人と区別して
いることを意味している。学齢期に前日に覚えた歴史上
の人物を思いだすのも、仕事の遂行も記憶が関わる。食
べたのに、まだ食べていないというのも記憶の問題であ
る。

記憶の3過程
記憶には3つの過程がある。

①「獲得(記銘、符号化):Enchodingコード化」
記憶として取り込むこと。

②「固定(保持):Storage、貯蔵」
取り込まれた情報を保持すること。

③「再生(想起、検索):Retrieval、再認」
保持された記憶を思いだす再生は、人の顔をみて、「金
さんだ」と思いだすような場合。再認は、名前は思い出せ
なくとも、会ったことがあるというな場合。

「Dual Storage Model(二重貯蔵モデル)」は、Atkinson,Shiffrinによって唱えられた。見たり感じたりし
た情報は①「感覚登録器」に登録される。その情報は、
見たり感じたり、その瞬間だけ保持される記憶である。注
意が向けられたものは②「短期貯蔵庫」に送られるが、
その短期貯蔵の量と時間には限界があり、およそ数10
秒程度と考えられている。それ以上長い時間、③「長期
貯蔵庫」を保持しようとすれば「リハーサル」という口に
出して唱えるような作業が必要になる。容量は7±2程度
、情報の塊として5-9個くらい。たとえば、数字の桁だと
すると7桁位、5-9桁位という意味になる。電話番後を聞
いて、そのまま忘れないようにするには、何度も反芻す
る必要がある。2

二重貯蔵モデルは2つの異なる記憶を示した。短期記憶
は単に蓄えるシステムではなく、作業に使うシステムとし
て、作動記憶(作業記憶)、ワーキングメモリーの過程が
重視視される。情報は単に保存されるだけでなく、知的
な活動に対し、どのように活用するのかが重要で、本と
読んだり、話を聞いたり、学習したり、コミュニケーション
したりし、認知活動の中で、1時保存した情報を活用しな
がら作業する。より長く保持されるため、転送され、瞬間
的に記憶された内容を長期記憶にとどめることもある。
保持できない内容は忘却されたと思われるかもしれない
が、単にアクセスできないだけなのかもしれない。長期
記憶は扱う内容からいくつかを区別することができる。

「宣言記憶(陳述記憶)」
出来事、イメージ、言語によって思いだすことができてそ
れを語ることができる記憶で、この宣言記憶は2種類ある。

1.「エピソード記憶」
昨日の夕飯に何を食べたかとか、3つのとき、三輪車に
のって転んで大泣きしたとか。

2.「意味記憶」
知識に相当し、その意味、概念、社会的ルールいつ、ど
こで覚えたかという個別的な情報は忘れ、内容のみが記
憶されているもの。

「非宣記憶(非陳述記憶)」は言葉にできない記憶で、手
続き記憶は自転車に乗れるようになると、しばらく乗って
いなくても乗ることができる。どうして乗れるのか、言葉で
説明ができないが体にしみ込んだ記憶。「潜在記憶」と
は想起意識、思い出している意識を伴わない記憶。健忘
症の場合、1分以上、新しい情報を保持することが困難。
新しいことを思い出してもらおうと思っても困難になる。
見たものを選んでくださいと言われると、なぜか正しく選
ぶことができ、そういった記憶は1週間以上保持されて
いるというデータがある。幼少期に海外で生活し、全く使
用していなかった外国語を覚えるのが早いのは、潜在記
憶が関わっているとされている。
web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/45-1/ind
ex-45...

1.記憶容量の発達、メモリスパン(記憶量)が発達する。
幼児期は年齢と同じ数を覚えることができ、3歳は3文字
、5才は5文字、9歳で6個、大人で7±2、9個になる。短
期記憶の容量が増加すると、覚えて記憶しているだけで
なく、処理する機能も含めた「ワーキングメモリ(作動記
憶、作業記憶)」も発達する。人の話を聞いて理解するの
は、相手が最初に何を言ったのか?そのあとの言葉とど
のように結びついて、どういう話になっていくのか?それ
に対し、自分はどう思うのか?複数の作業を同時進行し
なければならない。相手の話していることだけでなく、無
関係のことを思いだす不適切反応を抑制しないと人の話
を聞くことができない。

記憶方略

記憶は、何も手立てをしていないとすぐに忘れてしまう。
教えられなくとも、記憶するための手立て経験の中から
採用している。

「1.言語的ラベリング」

言葉に置き換え、刺激材料を言語的に命名すること。

「2.リハーサル」

提示された単語を何度も繰り返して覚える。

「3.体制化」

関連する刺激材料を整理してまとめる。

「4.精緻化」

既有知識を利用して刺激材料に意味を与える。例えば、
ごろ合わせ。記憶方略は幼児期から使っているが、ある
程度大人になってくるとさまざまな記憶方略を使ってより
確かな記憶にしていく。

「メタ記憶」
人は覚えたり、忘れる存在であることを理解すること.
「メタ記憶」とは認知を認知すること、又、自分の記憶状
態についての認知すること。5歳以下の子どもは自分は
忘れないと答えるが、小学生になると、自分は忘れるこ
とがあると理解するように、メタ記憶する。自分が覚えら
れないと思うようになるといろんな工夫をするようになる。
学習場面での記憶の働きを知り、それに適した行動をと
ることにつながる。知識が増えることによって、記憶でき
る部分が増えてくる。
「健在的記憶」とは自分の過去の特定の場所、時間に起
こった出来事の記憶で、「自伝的記憶」とは意識している
記憶である。

最早期記憶
「最早期記憶」とは、最初の記憶のことで、自分の最初の
記憶はいつからみられるようになるかあなたの最初の記
憶は何歳ですか?もっとも古い記憶はなんですか?古
い夢は何ですか?と聞くと一番古い記憶が3-4歳で、記
憶に伴っている感情は、痛い思い、怖い思いなどのネガ
ティブな感情である、ニュートラルとは特定の感情とつな
がっていないものである、弟、妹が生まれたことを3歳以
前はほとんど忘れているが、4歳以降になるとことを覚え
ている。高齢になって自身の人生を振り返ったとき、どの
年齢のことを覚えているか?

「親近性効果」 時間的に近いほどよく覚えている。

「幼児期健忘」
4歳以前の記憶は「幼児期健忘」として忘れられる。

「レミニッセンス バンプ」
10代後半から30代前半は、「レミニッセンス バンプ」とし
て記憶の山がある。この時期は、この時期は進学、就職
、結婚を経験する時期であって、人生に大きく影響する
時期である。この時期の出来事を繰り返して思い出した
り、そのたびに新な意味づけを発見し、その記憶が補強
されたりする。

3.記憶すること、忘れること
Elizabeth F. Loftus(エリザベス ロフタス)は自動車事故
を目撃した人たちの記憶を調べた。自動車事故の映像
を見てもらい、車はどのくらいの速度で走っていたか?
を質問した。同じ映像を見た5つの群に少し違った聞き
方をした。同じ映像でも聞き方によって、とらえる車の速
度が異なっている。記憶は、銘記のとき変わってしまう。
想起するときにどういう聞かれ方をするかによって変わ
ってしまう。目撃証言を聞くとき、聞き手が先入観なしに
目撃者に影響しないような聞き方をする必要があるのだ
。記憶した内容を確かな事実だと思うが、特定の事実が
なかったにも関わらず、それが実際あったことととらえて
いたり、事実と異なる記憶をもっていることが多いことを
示した。

「偽りの記憶」
ピアジェは、自分が誘拐された「偽りの記憶」を持ってい
た。母親が誘拐未遂の話を聞いたことから視覚的イメー
ジを構成し、鮮明に経験したかのように残っていた。それ
は「偽りの記憶」と言われる。後、乳母が作り話だったこ
とを白状した。記憶の大きな問題として高齢者の記憶の
問題がある。加齢に伴う記憶障害と認知症による記憶障
害とは大きく異なる。認知症の記憶障害はエピソード記
憶の障害で、同じことを何度も聞くのは、聞いた内容を
忘れるのではなく、聞いた体験を忘れている「符号化」の
問題で、健康な人の物忘れは「想起」の段階での問題と
考えることができる。 https://www.ted.com/talks/elizabeth_loftus_the_fiction

1.自己の情動表出の発達

情動の分類
いつから、気持ち、情動が表出するのか?それを調整できるよ
うになるのか?基本情動が生まれつき動物に備わっている。基
本情動には、喜び、悲しみ、怒り、恐れ、驚き、嫌悪、興味など
がある。基本情動には、生得的なもの(生まれつき、生後、早期
から観察され、先天的、目も見えない子も表す)、普遍的なもの
(異なる文化で共通して見られる)ものがある。基本情動は表情
、主観的情感、生理・神経科学的反応、状況から成り立つ。主
観的情感とは、自分自身の気持ちを感じることで、例えば、自分
が悲しいと感じることだ。特定の状況では特定の情動が起こる。
例えば、何か大切なものを失った場合は悲しみを感じる。

情動

情動の分類

 

「社会的情動」
ジュースをこぼし、罪悪感を感じるような情動で、1歳半を
過ぎた頃に見られる。種類に、てれ、妬み、共感、困惑、
誇り、恥、罪悪感など特徴として、周囲の人を意識した対
人的なものである、自己意識・自己評価と関連すること
がある。誇り、恥という情動は、自分が設定した基準より
、自分が上手に行動できたかどうかによっておこる。
「社会的表示規則: Display Rule」
社会、文化の暗黙のルールで、成長につれ、それに合
わて行動し、自己の情動の制御、調整できるようになる。
例えば、人からのプレゼントが最悪でも、お礼を言うなど
。しかし、抑制しすぎも問題。ネガティブ情動の表出・発
散において、悲しみ、怒りなどの情動を他人の前で見せ
たり、話したりすることを抑制する。

「ディストラクション(気晴らし)」
悲しみ、怒りの情動から気を反らし、別のものに注意を
向け、たとえば、テレビ、買い物などの気晴らしする。そ
して、それを再評価し、ネガティブな情動に意味づけし、
ポジティブな解釈を加える。再評価を行うには認知機能
の発達が必要なため、乳幼児には困難。

「基本情動」
「基本情動」と呼ばれる喜び、悲しみ、怒り、恐れ、驚き、
嫌悪、興味などが表出される。

「社会的情動」
1歳半を過ぎると、「社会的情動」もてれ、妬み、共感、困
惑、誇り、恥、罪悪感など対人的で、自己評価と関連す
る情動が出てくる。

「社会的表示規則」
幼児期になると自分の情動を表出するだけでなく、「社会
的表示規則」を身に着け、自分の情動を調整するように
なる。

「自己の情動を制御する方略 」
自己の情動を制御する方略として、抑制、ネガティブ情
動の表出・発散、気晴らしなどのディストラクション、再評
価などを身に着け、これらの方略により、ネガティブな情
動をうまく調整していくことができるようになる。

社会的情動

社会的情動

社会的参照

「社会的参照」とは、生後8か月くらいになると他人の情
動を理解し、利用しようとすること。深い側には、おもちゃ
があり、子ども側から、落ちてしまうように見えるが実は
ガラスが張ってあり、養育者の表情を変えて子どもの行
動を調べた実験がある。養育者が喜び、興味のとき、渡
ることが多くなる。恐怖、怒りのとき、渡ることがすくなくな
る。子どもは、養育者の表情が興味、悲しみのとき、表
情を良く見ていることが判る。養育者が笑顔のとき、74%
がおもちゃのところに移動し、恐怖の表情、心配そうな顔
の場合は、移動が少なくなる。子どもは表情、声のトーン
などの手がかりで、行動している。他者を理解するため
に使っているもの。

①表出的手がかり

表情、音声、しぐさ

②状況的手がかり

自分がその状況におかえれた場合を想像する。3-4歳の
子はすでに、表出的手がかり、状況的手がかりを利用し
ている。

③内的特性の利用

他人の性格、好みなどを手がかりにする。

「心の理論」

自分は犬が好きだが、犬が嫌いな友達が犬をもらったと
き、犬をもらうのは、嫌だと考える。自分が犬が好きだが
、友達は嫌いだという気持ちを推測して考えることができ
るようになっていく。
他人を理解するには、人の心の理解が関係し、これを「
心の理論」という。自分に心があるように、他人にも心が
あり、心にいろんな働きがあることを理解するようになる。 ("Does the Chimpanzee Have a "Theory of Mind")に
おいて、チンパンジーなどの霊長類が、同種の仲間や他
の種の動物が感じ考えていることを推測しているかのよ
うな行動をとることに注目し、「心の理論」という機能が働
いているからではないかと指摘したことに端を発している
。 Premack, D. G., Woodruff, G. (1978). Does the chimpanzee have a theory of mind?. Behavioral and
Brain Sciences 1 (4): 515–526.

心の理論

誤信念課題
4歳位にならないと正解しない

「悲哀Mourning」
愛着対象喪失後に生じる心理的過程。

「悲嘆Grief」
愛着対象は親か恋人、愛着対象喪失に対する反応

悲嘆反応
1.「情動表出」泣く、怒る。
2.「身体的反応」喉が渇く、息苦しい、疲労、頭痛、吐き気
、食欲不振、体重減少。
3.「社会的反応」人と接触を避ける、おっくうがる。

「急性悲嘆反応」
1942年にLindemann Eが火災で死んだ人の家族の反応
が、1.情動表出、2.身体的反応:身体的虚脱感、3.社会的
反応: 死にたい、罪悪感、敵対的反応、通常の行動がと
れないという順に起こることを見出し「急性悲嘆反応」と
命名した。
http://crisis.med.yamaguchi-u.ac.jp/history.htm

悲嘆反応

悲嘆反応

喪(も)の作業、「悲哀の4段階」

John Bowlbyの「喪の作業」=「悲哀の4段階」

「1.情動危機の段階」
愛着喪失後、何も感じない状態が続き、その後、苦痛、
怒り、興奮、パニック、無力感になる。

「2.抗議-保持の段階」
愛着対象を思い、探し求める段階で、数か月から数年続
き、愛着対象から離れることに対し不安を示し、対象を
取り戻そうとする。

「3.断念-絶望の段階」
愛着対象が、戻ってこないと認める段階で、対象喪失を
経験し悲嘆反応が生じる。絶望によって、閉じこもり、抑
鬱、無気力の状態になる。

「4.離脱-再建の段階」
愛着対象から心が離れる段階で新しい愛着対象の発見
、対象との結びつきへと向かう。このように悲哀過程をた
どって悲しみから抜け出す。

 

喪

John Bowlbyの「喪の作業」=「悲哀の4段階」

基本情動が生後すぐに出現し、生れて間もない新生児
でも「情動伝染」がある。生後8か月の乳児でも「社会的
参照」を行うことからかなり早い時期から他者の情動を
読み取っている。1歳半くらいになると「社会的情動」が
出現幼児期になると自分の情動をそのまま表出するだ
けでなく、「社会的表示規則」を身に着け、自分の情動を
調整するようになる。幼児期になると他者の情動を理解
する際、「内的特性」などを利用する。「心の理論」の理
解が進み、自分と他者の心は別々のものであり、必ずし
も同じでないということが判るようになり、自己の情動表
出の発達していく。

情動発達

情動表出の発達

貧困
アマルティア センは貧困を潜在能力を実現する権利の
剥奪と定義した。青少年が能力を有していながら、経済
的理由でそれを実現する教育をうけることができない。
調査でそのうち結婚すると思っていたら、独身のまま仕
事に行き詰まって貧困状態に単身女性の約3人に1人が
貧困状態であることが明らかにされた。貧困は親のスト
レスが子育ての質に影響し、その子の「自己調整能力」
に影響する。

「自己調整能力」

1,大切な目標があったときに頑張ろうとする

2.我慢しようとか自分自身に命じて行動する

3.自己主張する

4.こういうことができない子どもになってしまう。貧困は
一生にわたって影響を与えるリスクがあり、米では、貧困
の親に教育が行われている

貧困-自己調整能力

アマルティア セン

Attachment(愛着)
Bowlbyが用いたAttachmentを愛着と訳した。個体が恐
れ、不安の情動が働くとき喚起され、安全基地にアタッ
チし、安心感を回復・維持しようとする傾性、危機的状況
での安全基地にくっつこうとする避難所親子関係、母子
関係なので、子どもの親や大人に対して使い方がされる

1940年代、施設児に運動能力、言葉、知能の遅れ、無
感動な性格、高死亡率がみられ、WHOがBowlbyに原因
究明を依頼した。Bowlbyは「施設病、Hospitalism」の子
の発達の遅れは、文化剥奪、母性剥奪に起因し、「施設
病、Hospitalism」は「Cultural Deprivation:文化剥奪」何
もさせないような状態、「Maternal Deprivation:母性剥奪
」つまり、抱いたり、笑いかけたり、あやしたりの母親的
働きかけが少ないことが原因だとした。

Bowlbyの愛着理論

BowlbyはHospitalism は、Maternal Deprivationが原因
だとし、愛着形成不全が後の精神疾患等の原因だとし、
環境改善、保育者の比率を高めれば、健康が保障され
ると主張した。彼の愛着理論は、フロイトの精神分析の
流れを汲んで、幼児期の親子関係が後の発達を決定す
る。Bowlbyは行動レベルから表象レベルになって対人関
係やその他の元となる「Inner Working Model」を示した。
内的表象という愛着のパターンがその人の一生の対人
関係に影響を与えるのだと説明した。Bowlbyの愛着理論
は認められているが、愛着対処が一人ということに対し
て反論が為されている。私は住み込みお手伝いさんに強
い愛着を形成した。帰省する時は泣いた。ある研究では
29%が複数の人への愛着を示した。Bowlbyは乳児期の
愛着が、対人パターンを規定するとしたことに批判が為
されている。

愛着

愛着

愛着形成


生後、赤ちゃんは味覚、聴覚、視覚が発達している。ファ
ンツの実験で、赤ちゃんは、生後5日以前で、複雑な図形
、特に顔に似た絵、同心円、新聞の切り抜き、べた塗を
良く見る。1か月検診にきた生後30日の赤ちゃんは、手
足の動きが大人の語り掛けに同調動作することが判っ
た。舌を出すと赤ちゃんは動作の模倣する。出生直後か
らこの模倣の反応がみられ、出生直後から対人能力を
持って生まれており、親と同調的なコミュニケーションが
作られていく。6週になると、人間の顔風の物に対し、「微
笑反応」するようになる。母親の共鳴し愛情のこもったコ
ミュニケーションの世界に入っていく。愛着形成は生理的
欲求、おしめ、おっぱいなどで形成されるのではなく、こ
のコミュニケーションで形成される。Fantz,R.L. Origin of
form perception. Scientific American, 204. 66-72.
1961.

愛着形成

愛着形成

Ainsworth.M.D.S

https://sites.google.com/site/gidatoshiyuki/lectures/
movies

子どもはどのような愛着を形成するか?エインズワース
がSSP:ストレンジ・シチュエーション法
(Strage Situation Procedure)を作った。
1.実験者が部屋にお母さん、子どもを連れてくる。
2.実験者はいなくなり、お母さんがいる。
3.見知らぬ女性が入ってくる。
4.お母さんが出ていく。見知らぬ人があやそうとする。
5.お母さんが戻ってくる。知らない人が出ていく。
6.お母さんが出ていってしまう。赤ちゃんは大泣きする。
7.さっきの見知らぬ人が入ってきてあやそうとする。
8.お母さんが入ってくる。3分ずつ、8場面で行う。
エインズワースは、このときの反応から赤ちゃんの愛着
タイプを3つに分類したhttps://sites.google.com/site/gidatoshiyuki/lectures/
movies

Inner Working Model

A Type:回避型
母が消えても不安がらず、戻っても喜ばない。自分は拒
否される存在であるInner Working Model:内的作業モデ
ルに従って他者に攻撃的で孤立する。


B Type:安定型
母を安全基地とし、消えると泣くが、戻ると収まる。自分
は必要とされる存在で、他者が助けてくれるというInner Working Modelを持ち、他者に肯定的に働きかける。


C Type
アンビバレント型:母がいなくなると大泣き、戻るとなだめ
るのが大変なタイプ。見捨てられ不安のInner Working
Modelを持ち、他者の意向に敏感で、従属的行動をとる。
これを規定するのが母親の子どもに対する感受性、さら
に、生得的気質、環境要因の相互作用だ。この愛着タイ
プは6歳位維持される。

ストレンジシチュエーション

ストレンジシチュエーション

生涯発達における愛着の役割

発達の権威、スピッツは、発達のダメージは1/3位しか回復しな
いと言った。1972年、山梨県で6歳女児と5歳男児の姉弟が左官
の37歳の実父に1年半犬小屋で監禁されていた。救出時2人は
身長80cm、体重8kg程度で、喋らずはいはいしか出来なかった
。他に年子の兄弟が5人居り、姉弟と一緒に発見された乳児は
肺炎で死亡した。二人とも身長80cm、体重8kgほど、心身とも満
1歳の発達度だった。当初は、言葉は姉は5-6語もっていたが、
弟はゼロだった。保護された2人は順調に発達し2年遅れで小
学校へ入学した。姉は3児の母となり、弟はサラリーマンになり1
児の父となった。父親は働かず、母親はミシンで内職、生活保
護。子の数が増え、下にいくと世話が困難になり、2,3歳の姉が
2人の世話をし、1日、1食の状態。救出当時、1-2歳の絵だが、
仲間が発達を促し色彩、形が整った。12歳のとき、年齢相応の
絵になる。言語は、姉は5語から言語は発達したが、弟は停滞
していた。姉は保育者と相性がよく、弟は保育者と相性が悪くか
った。同じ保育者にすると、弟もその保育者になついて、そして
、仲間にも関心が進んで、言語発達が促された。養育者の関係
が言語発達、仲間関係の発達に意味を持っていることが判った
。大権威のスピッツは回復は期待されないというが、回復があ
ることが判った。養育放棄を受けた子が、通常の社会的環境に
移され、2人は施設で手厚い保護、養育を受けたのだが、発達
は追いつくが、頭打ちになってしまい、身長は、弟は150,姉は14
0で止まった。義理の父母に育てられた子は、目覚ましい発達が
あり、愛着関係は子どもの成長の基礎だということが判る。発達
は弾力性を持ち、取り返すことができるものだと思わせられた。
愛着の対象は肉親と限らない。愛着は乳児期だけでなく、その
後も形成される。愛着関係は人の発達の根底を支えるものであ
る。

ネグレクト

愛着の役割

 

William Jamesは、自己の生涯発達で「自己 self」は、主
体としての自己と客体としての自己を示した。主体として
の自己は人生の主人公としての自分を指す。人生を生
きているのは、活動しているのは自分だとし、「主我」と
呼んだ。客体としての自己を「客我」と呼び、主体として
の自己を眺めているもう一人の自分のこと。生涯、主我
と客我に付き合っていく。「自我 ego」は心的装置論の中
で、周りの世界に受け入れられる行動を作り出し実行す
る、という機能として使われ、私の主体的な面を切り出し
た言葉。これに対して「自己 self」は、「自己意識」や「自
己概念」といった使い方がされる言葉で、私の意味や価
値といった客体的な面を切り出している。http://blog.livedoor.jp/umiyamaniji/archives/22637771
.html

自我

自己(Self)

デカルトは、コギト エルゴ スンと言った。考える自分があって、
考える対象が客体としての自分ということになる。ジェームスの
主我と客我ということになる。どのようにして自分のことを考える
ことができるのか?自分のことを「メタ認知」という機能を使って
自分のことを考える。メタ認知は青年期に大きく発達する。その
前までは具体的操作期で、自分、周囲のことについて、具体的
な物事を通してしか考えることができないが、青年期になると抽
象的に考えることができるようになり、自分自身を認知の対象と
して考えることができるようになる。そのことによって、自分のこ
とを知ることができるようになる。
発達心理学者のザゾは、児童期から青年期まで、質問して1年
前の自分の意識がどのように変化したか?まとめた。まとを外
れた反応は年齢とともに減少していた。身体的成長、社会的成
長(学校での進歩)、心理学的成長(自律)、心理学的成長(成
熟の自覚)、他人との関係(態度、行動)、の成熟の自覚が年齢
を経るごとに増加してきている。年齢とともに外面的なものから
内面的なものへ、具体的なものから抽象的なものへと認識する
ことができるようになる。そのことによって、自分自身の認識が
できるようになる。

メタ認知

メタ認知

「自己意識」

ウィリアム ジェームスは自己意識は、①身体②所有③
社会④精神から成るとした。

①「身体」身体の自己意識を指す。

②「所有」持っているもの、地位の自己意識を指す。

③「社会」社会的存在としての自己、社会の一員である
自分についての自己意識を指す。

④「精神」価値観などの精神的存在としての自己意識を
指す。

人は自分知らない。20答法があるが、ザゾの研究と同様
、外面的な記述が次第に減少し、内面的な記述が増えて
くる。フロムの2つの自己は「所有としての自己」は何か
をもっているということ。「存在としての自己」は、他の誰
とも違う自分であり、確固とした信念、信条、価値観を持
っている。そうしたことが自分自身の存在としての自己を
確認することになる。

https://potect-a.com/utilization/johari_window

誰の子どもとして生まれてくるのか?どの時代に生まれ
てくるのか?学校、どのクラスか、担任を選べない。会社
を選べるが、部署か、同僚も選べない。進学したくてもで
きない人も多い。ホルモン分泌、意志関係なく、思春期に
体が変化し、コントロールできない。ムンクは「思春期」と
いう絵を書いた。人は考える機能で悩んだり、不安になっ
たり、考える。そのことに、ヴィクール フランクルは、人生
について、いかに生きるかと考えるのではなく、問の構造
をひっくり返すことが重要だとしている。フランクルは、人
生が自分に生きる意味を問うている。悩み、課題に立ち
向かっていくことが大事なのだと述べた。 www.din.or.jp/~honda/tokio14g.htm

ムンクの思春期(前)、フランクル(後)

私たちは一人一人異なる存在で、それぞれ個性: Indivisualityを持っている。Individe:分割できないというこ
と、私たちは分割できない単位だ。マーシャは、Identity,
自分らしさ、自分ということに対して、系統:Commitment
、危機:Crisis、探求の2つの組み合わせで考えている。
危機あるいは探求は、自分がこれから先、何をしようと
するのか?真剣に悩んでいる、あるいはそれを探そうと
している、ことをいう。Commitmentとは、その結果、これ
が自分がやることだ。これを今後、やっていこうというこ
とについてはっきりしていることをいう。目標と言い換え
てもよい。達成というステイタス地位は、危機あるいは探
求を経験し、Commitment:これがやるべきことだとはっき
りしていることをいう。

個性

個性

エリクソンの心理社会的発達理論。

生後1年間の乳児期は、ポルトマンは、「生理的早産」と
し、言葉を話し、直立歩行し、道具を使用しだし、人間ら
しくなる時期だとしている。親も子育てしながら成長して
いく。乳児期は、周囲の人に対し、「基本的信頼」を確立
していく時期。児童期、ギャングエイジとよばれる仲間集
団は社会化の機能を持つ。「社会化」とは行動規範、決
まりを学習していく働きを指している。仲間と行動するこ
とで、社会で必要とされる能力を獲得していく時期だ。他
者は自分を映し出す鏡、重要な存在だ。年上の人はメン
ターと呼ばれるように人生を導いていくような存在だ。思
春期は生意気な時期で、第2反抗期と呼ばれる時期。青
年期までは親から独立していない時期だ。

心理社会的発達

心理社会的発達理論(エリクソン)

対人関係の発達

子どもの対人関係の枠組みがあり、それが変わっていく
。対人関係をルイスが表にしたもの「Social Network Ma
trix」といい、対人関係の枠組みに自分に重要な人の心
理的役割を表に表す。
関わりのある人物をP₁、P₂とし、
P₁は当人、それぞれの役割を社会的機能を数字で表す
。社会的機能、F₁:保護、F₂:世話、F₃:養護、F₄:遊び、
F₅:学習、保護は、B₁₁、B₁₂、B₁₃、世話の食事や着替え
はB₂₁、B₂₂それぞれの人の活動量を数字で表す。
母親の社会的機能は、保護、世話、養護で活動量が多
い。
兄の社会的機能は、遊びと学習。Social Network Model
は発達に伴って、構成員、社会的機能が変化し、対人関
係をとらえている。

Social Network Model

Social Network Matrix

「コンボイモデル」は、カーンとアントヌッチが提唱した社
会的支援ネットワークで、どのように社会的関係をもち、
社会的支援を交換しながら生きているのかを表す対人
関係の3枠組みとしてとらえ、自分が複数の相手に支え
られ、ポジティブな感情、援助などをやり取りしている。
P:中心にいるのが本人で、3重の同心円で守られている。
第1円(Pを取り巻く円):本人を取り巻く円は極めて親密な
人から成り、重要な社会的支えの提供者で、親、配偶者
、子ども、親友などが入える。

amq87-coaching.hatenadiary.jp/entry/2016/09/19...

第2円は、次に親密な人で、友人(職場や近所の親しい
友人)、親せきなどが入ることが多く、時間によって変化
する。
第3円(最外側円)は、親密さの程度は低いが、支
えのよりどころになるコンボイの成員を表す。職場の上
司、同僚、隣人、専門家、遠い親戚などが入っていて、
役割に結びついていて、役割の変化に影響を受ける。
第1円は3-4人で、第1-3円までの3つの円の合計は平
均7-8人。援助的な関係を持つ相手の数やそうした関係
と特徴づける親密さの関係は人によって異なる。例えば
第1円に誰も入らない場合も、沢山の人が成員となる場
合もある。

友人概念

ちゃんは他の子に働きかけ、応答行動がみられ、遊ぶ
子を友達とみなす。
3歳頃から同性を選び性差別者になる。児童期から青年
期にかけて仲間関係の重要性が増し、友達の考え方も
変化する。
「友達概念」とは、友達はどのような人を指し、友人関係
をどのようなものとして捕らえている。
友達概念は、児童期はじめの6-7歳頃、遊んだり話した
りする人を友達ととらえている。
9歳を過ぎると、助け合ったり、励ましあう相互援助する
持続的な関係を友達ととらえている。青年期はじめ、13-
14歳頃、お互いのパーソナリティを理解し、共通の物の
観方をする相互理解の関係としてとらえている。
他人を「友だち」と認識するのは、自分がその人のため
に何かしてやりたい、役に立ちたい、と思った時だ。

友人概念

友人概念

 

共感性の発達

共感性とは、認知と感情の両方を含む過程で、他者の
代理的経験、共有を伴うものと定義されている。認知的
側目と感情的側目がある。認知的側面:他者の情動や状
況を認知する。感情的側面:他者と情動を共有する。共
感性測定には、2種類あり、共感が生じるような場面を提
示し、実際に共感が生じるかを見る状態の測定。、個人
の性格特性としての共感性の測定、いくつかの質問紙が
開発される。

ホフマンによれば、共感性は次の4つの水準を経て発達
する。第1の水準:
「あいまいな共感」
自他の区別がない段階で、他者の苦痛によって自己も
反射的に苦痛を経験する。しかし対象が不明瞭であるた
め、共感というよりは自己の苦痛として行動してしまう。
第2の水準
「自己中心的共感」
自他の身体的区別が可能でも、他者の内的過程の理解
が不十分である。そのため、苦痛を経験しているのが他
者であることは理解できても、他者の苦痛と自己の代理
的苦痛を混同してしまう。その結果、泣いている子に自
分の愛用している人形を渡すといった行動をとったりす
る。他者を慰めるために、自己が安心できる手段をとる。
第3の水準
「他者の感情への共感」とよばれ、ある程度正確な感情
認知に基づく共感である。この時期の子供は状況や表
情から他者の感情を理解でき、他者の視点が他者独自
の欲求と場面の解釈に基づいていることも知っている。
しかし、他者の感情を、他者の過去・現在・未来という他
者独自の人生の中で位置づけることができない。
第4の水準
「他者の生活状況への共感」:と呼ばれる。役割取得が発
達するにつれ、他人中心の苦痛は次第に、他人に対す
るあわれみの感情という形をとり、さらにその場や状況を
超えた共感的苦痛へと姿を変えてゆく。共感は、現状況
で表出されている他者の感情だけでなく、他者の幸福状
態に基づいて生起する。

共感

共感性の発達

愛他行動

愛他行動は、向社会的行動とも呼ばれ、定義は、他者のために
なることをしようとする自発的な行為のこと。おやつをあげたり、
おもちゃを貸したり、慰めたり、子どもの愛他行動は1.5-2歳頃
から始まり、生後15-18か月の子どもは、おもちゃを人にあげた
り、貸す。1歳半くらいになると子どもは大人の手伝い、援助行
動しだす。1.5-3歳の半分が援助行動を行うことが判っている。
1.5-2歳の子どもは他者が困って泣いているとき、慰めたり、元
気づけたりする。2歳頃までは、他者が苦痛を示すと慰めたり、
相手の苦痛を減らそうとして、物をもっていったり、どうすればよ
いかを教えたり、元気づけようとするなど様々な方略を用いる。
愛他行動は、幼児期、児童期、青年期にかけてとどんどん増加
し、加齢に伴って増加する。赤ちゃんを泣いていて、母親が哺
乳瓶を探すという状況での研究がある。泣いている赤ちゃんに
同情を示したり、母親と一緒に哺乳瓶を探す行動は、幼児より
も児童の方が多くなる。青年期の間では、愛他行動が増加せず
、いったん減少するが、また、元の量に戻ことがある。愛他行動
の発達を支えるものとして、①共感性と②向社会的判断がある
。向社会的判断はある状況で、他者のためになる行動をするの
か、あるいはしないのか?それはなぜかについて分析すること
によって、その水準レベルを分類する

愛他行動

愛他行動