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歯周病歯周病

歯周病の原因

年代

原因

 

-1965

Calculus

1965年以前は、歯周病の原因は歯石だと考
えられていた。

1965-

Plaque

1965年、ローは、健康な歯学部の学生に、3
週間、口腔清掃をさせられなかったその学生
の歯面に細菌性プラークが増え、グラム陽性
菌から陰性菌が優性になった時点で、歯肉炎
が発症していることを見つけた。

口腔清掃するとグラム陽性菌に菌性が変わ
り炎症が消退した。

歯周病は、グラム陽性の好気性菌が減少し、
グラム陰性菌に増えるというプラークの質が
変わることで歯周病が発症するを証明した。

1975-

Specific

Plaque

口腔清掃を施行しても好転しない人が存在し
た。マイケル ニーマンは、嫌気性菌の培養方
法を発見し、特異的なバクテリアが病変の発
病に関与している事を付き止め、歯周病の原
因は、プラーク中の特定の病原菌が起こして
いることを発見した。

1986-

Specific

Plaque

Host

歯周病の歴史に登場することになるローはリ
ランカのお茶畑の労働者の歯周状態は、11%
は健康であり、81%が通常見られるような経
度から中程度の歯周炎が見られ、残り8%が
重度の歯周炎に罹患していたことから、ホスト
の抵抗性に問題があることを提起した。

つまり、特定の病原菌のみならず、ホストの免
疫要素、生物学的因子が関与していることを
示唆した。

(Natural History of Periodontal Disease in
Man.

J.Clin Periodontal,1986)

 

歯周病の原因

歯周病発症のメカニズム

プラークが歯と歯ぐきの間にたまると炎症が始まり、歯肉
が腫れる。腫れると歯との付着を失い、歯から剥がれる。
剥がれると、歯肉に裏側に傷ができ、出血する。この血
は、凝固因子によって固まり血餅になり、肉芽組織に変
身する。
ポケット内に細菌、ウィルスが存在している場合、肉芽組
織のままであるが、ポケットのそれが無ければ、結合組
織を作る繊維芽細胞が侵入し、結合組織になって治癒に
向かう。

解剖

Plaque

プラークはオーラルバイオフィルムと云われ、血流に乗り
体の様々な部位に運搬される。歯と歯肉の間にグラム陽
性菌のプラークが付着すると、密閉され、グラム陰性菌
の嫌気性菌が付着する。
矯正装置、不正咬合、充填、修復物はプラークが停滞し
やすい環境になり、最終的には、かん菌、球菌等によっ
て複雑な環境に発展する。プラークは、食事、歯の掃除
と関係が無く、食べなくとも、口腔清掃しても形成される。

プラーク:1.疾病に関与するものとしないもの、2.歯肉
縁上のものと縁下のもの、3.当時、学生だったMichael
Nyman(UCLA)歯牙に付着しているものと歯に付着して
いないものに区別した。
プラークが存在する層をマテリアアルバと云われ、軟組
織、硬組織上に薄く形成される。細菌、上皮、白血球細
胞等のやわらかい細胞が蓄積したもので、まだ、規則的
な構造をしていない。
ラテン語で、プラークとは固まったものという意味であり、
固まることによって、その部が密閉され、嫌気性菌が呼
び寄せられ、歯周病が発症する。

Plaque Classification

 

1

2

3

 

Disease

Non Diseased

Supra Gingival

Sub Gingival

Attached

Unattached

疾患に関与

疾患に関与しない

縁上

縁下

歯牙に付着している

歯牙に付着していない

h

細菌の分類
細菌は3つの方法、
1.形態、
2.酸素の存在下で生息するかか、
3.グラム染色の違いによって分類される。

1.形態は、球菌、桿菌に分類される。
2.歯面に、酸素が存在する好気性条件で生息する菌種
が増殖し、プラークの厚みが増すことによって、嫌気性
条件が形成され、嫌気性菌が出現し、細菌の菌層の構
成が複雑化する。 酸素の存在下で生息するか否かで分
類される。好気性(通性嫌気性)菌は、酸素の存在下で
生息するが、嫌気性(偏性嫌気性)菌は、酸素の存在下
で生息せず、歯肉溝に多く、歯周疾患と関係する。
3.グラム染色の違いによって分類
細菌を3.グラム染色の違いによって分類する方法がある
。1884年、クリスチャン グラム(オランダ)は、スライドに
塗沫、乾燥、固定した細菌をアニリン色素の一種である
クリスタル緑、またはゲンチアナ緑で定着し、アルコール
で脱色、水洗するというグラム染色という方法を考案し、
細菌には、染まるグラム陽性菌と染まらないグラム陰性
菌があることを示した。
グラム陽性菌は、紫色の色素が残存し濃い紫に染まり、
口腔内細菌として、連鎖球菌、ブドウ球菌、乳酸桿菌、
放線菌などがある。グラム陰性菌は、紫色の色素が遊
離し、脱色してしまうので、観察できなくなるので、さらに
、赤色のサフラニン液で染色する必要が出現する。口腔
内細菌として、バクテロイデス、ナイセリア、フゾバクテリ
ウム、ベイヨネラなどの菌種がある。
グラム陰性菌には、内毒素が存在し、この物質は、複雑
なメカニズムを通して生体に為害作用を及ぼす。プラー
クでは、好気性グラム陽性桿菌の比率が高く、ほとんど
が連鎖球菌である

細菌分類

1

2

3

形態

酸素の存在下で
生息するか、否か

グラム染色

A

球菌

円形

好気性菌

酸素の存在
下で生息す

グラム陽性
菌 G(+)
グラム染色
で染まる

 

B

桿菌

楕円形

嫌気性菌

酸素の存在
下で生息し
ない

グラム陰性
菌 G(-)
グラム染色
で染まらな

 

歯周病の分類

1999 AAP Classification

1

Gingivitis(Gingivitis)

 

 

2

Chronic Periodontitis

(Chronic Adult Periodontitis)

Localized

 

Generalized

 

3

Aggressive Periodontitis

(Early Onset Periodontitis)

Localized

 

Generalized

4

Acute Necrotizing

(Refractory Periodontitis)

 

Gingivitis(急性壊死性潰瘍性歯肉炎)

 

Periodeontitis(急性壊死性潰瘍性歯周炎)

5

Severe Adult Periodontitis

(Refractory Periodontitis)

Psychosocial Stress

 

Immune Compromised/Suppressed

 

Diabetes Mellitus

 

 

Genetic Predisposition

 

Risk Factor

かつての歯周治療は、発症してしまったものを治療して
いた。
口腔、歯周病は全身の健康に影響することが判り、既往
歴のみならず、リスクファクターの評価、内科、医科的な
既往歴をとることが要求されるようになった。
全身を考慮して治療に当たることが不可避になった。

 

1

2

Risk Factor

Systematic RF

Biologic RF

1

Heart Disease(HD)

Specific Bacteria in the
Plaque

2

HighBlood Pressure(HBP)

Immune Compromised/Supression

3

Periodontal Disease(PD)

Gentic Predisposition

4

Cancer(CA)

IL-1 Genotype Positives

5

Diabetes Melletin
(DM)

Hormone

歯周病は全身の健康に影響することが判り、全身のリスクファクターのみならず、食事やスポーツの履歴も問診される。歯周病の注意すべき家族暦に、心臓病、高血圧、糖尿病がある。糖尿病に罹患し、血糖のコントロールができていないと微小血管に障害が出現し、歯周病の治りが悪くなる。生活習慣などの行動上の問題のリスクファクターには、運動、ストレス、タバコがある。運動不足とクラークコントロールは、バクテリアをコントロールし、ホストの反応に影響する。ニコチンと運動不足は、感染に抵抗する白血球が減少、生体の抵抗力を下げる。運動は糖尿病、歯周病に関係性があり、歯周病予防改善にいかにして運動を促すか考えた。運動強度が高まると運動効果が横ばいになり、一線を超えると障害発生率が高まるので、トレッドミルなどで運動負荷を徐々にかけ、心拍数などをモニターしながら、有酸素運動から無酸素運動に変わるところ、最大負荷を100%とする。例えば、心拍数70の人を限界まで負荷にすると160位になる。70-160の間の40-60%、脈拍120位を維持するような運動の強さで行うように、自分にあった運動強度を計測し、「最大能力の40-60%」の強さの運動を指導した。国際若年糖尿病学会は、歯周病は糖尿病の合併症とした。歯周病の感染は、糖尿病患者に血糖のコントロールを悪くする。歯周炎は、糖尿病の代謝に影響するが、歯周治療は、血糖値が改善する。反対に糖尿病は2.3倍歯周病に罹患するリスクがあり、糖尿病で歯周炎があると、血糖値のコントロールが悪くなる。早産は歯周病で誘発される化学物質IL-1が関係し、歯周疾患治療で、早産を18%減少することが判明している。糖質を減らすダイエットが普及しているが、糖質は脳の唯一のエネルギー源でカットすべきでない。糖質を増やしたから糖尿病に罹患したとは思えない。かつて、1日玄米4合、おにぎり10個食べて、糖質を摂取していた時代には糖尿病に罹患していない。宇宙飛行士は、無重力では体重は0になる。無重力では、心臓は7トンの血液を押し上げる必要が無くなり、ニュートンの法則で、1回血液が回ると永遠に血液が回るので、筋肉はエネルギーを使うことはなくなり、糖尿病に罹患し、歯周病に晒される。しかし、有酸素運動の効果には、血中インスリン濃度の低下、耐糖能改善、血中インスリン濃度を低下させ、糖尿病、そして、歯周病の予防・改善効果がある。

歯周病は全身に影響し、Risk Factorの評価が為されている。①Systemic Risk Factor評価に糖尿病があるが、血糖のコントロールができていないと微小血管に障害が出現し、傷の治りが悪くなるからである。②Behavioral Risk Factorに、クラークコントロール、ストレス、喫煙、運動不足があるが、これらは、バクテリアをコントロールするホストの反応に影響するからである。歯周組織の第1線防御がリンパ球であり、歯周病菌等の抗原が侵入すると好中球が駆けつけるが、肥満、喫煙者、糖尿病、運動不足は、これらの免疫細胞の機能が落ちていて、マクロファージは他の細胞を集合させ、Cytokines: IL-1Β、PNL,PGE2を放出させ骨芽細胞を破骨細胞に変え、骨の吸収を進行させ、繊維芽細胞に対し、コラゲナーゼを放出し、歯周組織を破壊する。マクロファージはIL-1を生産するのであるが、INTERLEUKIN-1の遺伝子型が陽性の人はIL-1Βの生産量は2-4倍である。IL-1はファイブロブラストに働きかけ、コラゲナーゼを作り、コラゲナーゼは組織を破壊する。又、IL-1は骨芽細胞に働きかけ破骨細胞に変えて、骨吸収を生じさせ、歯周病を増悪していくことになるので、いかにして、運動を勧めていくか考えた。喫煙や運動不足は、2型糖尿病を誘発し、感染に抵抗する白血球が減少させ、生体の抵抗力を下げる。国際若年糖尿病学会は、歯周病は糖尿病の合併症としている。また、歯周病の感染は、糖尿病患者に血糖のコントロールを悪化し、放置していると糖尿病の代謝に影響する。糖尿病は2.3倍歯周病に罹患するリスクがあり、糖尿病で歯周炎があると、血糖値のコントロールが悪くするが、運動は、血糖値が改善するだけでなく、人の健康に最も大切であることが明らかである。

歯周病は痛くない、しかしそのポケットへの感染は、別のところに感染し、心臓、糖尿病の問題を引き起こし、人間が死ぬか生きるか問題に波及することもある重大な病気である。

歯周病の原因